JavaScript を有効にしてください。
【後編】教育×企業×自治体の共創へ。「出会う場」で見えた「教育の共助」の可能性 |教育の共助に係るネットワーキングイベントイベントレポート

2026年03月13日

【後編】教育×企業×自治体の共創へ。「出会う場」で見えた「教育の共助」の可能性 |教育の共助に係るネットワーキングイベントイベントレポート

CONTENT
目次

教育の共助に係るネットワークイベント開催レポート【後編】

教育の共助を実践する8つの取り組み

イベント後半では、自治体、教育機関、企業など多様な主体によるピッチセッションが行われました。

地域資源を活用した環境教育や地域連携型の学校づくり、企業の知見を活かした食育やコミュニケーション教育、さらにテクノロジーを活用した新しい学びの形など、多様な視点から教育の共助の可能性が共有されました。

 

🔳Pitch Session

岸和田市:パンダバンブーESD環境教育 ~パンダと竹から始まった子どもたちのサステナブルな未来~
登壇者:岸和田市 公園緑地課 川端さん      
       

 

川端さんは、放置竹林の課題と地域資源活用を組み合わせた「パンダバンブープロジェクト」を紹介。岸和田市の竹は和歌山県のアドベンチャーワールドのジャイアントパンダの餌として提供されてきましたが、パンダの返還により年間約100トンの竹の活用先が課題となっているといいます。

そこで同市では、竹林整備や里山再生、環境教育を組み合わせた取り組みを推進しています。

また、竹資源は、工芸品や再生プラスチック製品として商品化されているほか、海洋環境の保全として竹を活用したアオリイカの産卵床づくりにも挑戦しています。川端さんは「山から海までつながる資源循環の取り組みとして、企業の皆様とも新たな連携を進めていきたい」と呼びかけました。

 


大阪府立学校:「社会のど真ん中」に、学校を取り戻す。~未来の日本を繋ぐ、2つの共創の柱~
登壇者:校長予定候補 徳永さん

 

徳永さんは民間企業で事業開発などを担当してきた経験を持ち、4月より大阪府立高校の校長として学校運営に携わる予定だといいます。

これまで企業と学校をつなぐPBL(課題解決型学習)に取り組む中で、「企業のリアルな課題に向き合うことで、生徒が劇的に変化する瞬間を何度も見てきた」と振り返りました。

背景として、日本の若者の自己効力感の低さを示す調査結果を紹介し「社会や企業の課題に高校生が飛び込む経験が必要だ」と強調しました。徳永さんは「学校を社会のど真ん中に取り戻したい。高校生が地域や企業の課題解決に関わることで、地域の未来を担う人材が育つ」と述べ、企業との共創を呼びかけました。

 

テレビを見ている人たち

AI 生成コンテンツは誤りを含む可能性があります。


大津市教育委員会:一人ひとりが輝き、ともに未来を創る大津の教育 ~学校夢づくりプロジェクト~
登壇者:学校教育課 指導主事   澤村さん

 

澤村さんは、市内の全小中学校で実施している「学校夢づくりプロジェクト」を紹介。この取り組みは、新型コロナウイルスの影響で地域との交流や教育活動が停滞したことをきっかけに、地域とのつながりを再構築する目的で2021年度にスタート。

現在は市内の小学校37校、中学校18校で実施されており、学校独自の取り組みを支援する「学校企画型」と、地域や企業と連携する「連携型」の2つの仕組みで運営されています。学校企画型では各校に予算が配分され、生徒のアイデアをもとに地域イベントや地域資源の発信などの活動が行われています。澤村さんは、「地域学校、企業の皆様とともに、子供たちの可能性を最大限に広げる学びを創っていきたい」と語りました。

 


大阪府印刷工業組合:コミュニケーションデザイン ― 豊かなコミュニケーションが相互理解を深め、良心を育む ―
登壇者:理事長 髙本さん

 

髙本さんは、印刷やデザインの知見を活かした「コミュニケーションデザイン教育」の取り組みを紹介。

印刷業界は長年情報を分かりやすく整理し伝える役割を担ってきましたが、そのノウハウは教育にも活かすことができるといいます。色彩設計や視覚的ユニバーサルデザインを活用し、誰もが情報を理解し意思決定に参加できる「情報のセーフティネット」の構築を目指しています。スポーツ大会でのカード交換や、社会課題をゲームで学ぶボードゲームなど、子どもたちの学びを支える取り組みが紹介され、髙本さんは「印刷という技術を通じて、教育や地域の取り組みにさまざまな形で貢献していきたい」と締めくくりました。

 


株式会社Meta HeroesSociety5.0×SDGs×HERO100 ~子供から大人まで学べるEdTech共創スペース『HERO EGG
登壇者:Hero Egg事業部 横田さん

 

横田さんは、メタバースなどのデジタル技術を活用した教育空間「HERO EGG(ヒーローエッグ)」を紹介。大阪・なんばパークスに開設したDX教室「HERO EGG」では、大人向けAIリスキリング研修の収益を、子ども向け無償テクノロジー教育に還元する仕組みを採用しており、子どもたちは無料でAIやメタバースを学ぶことができます。


AI
やゲーム制作などの体験型プログラムを通じて創造力を育むほか、メタバース防災訓練や企業・大学との共同プロジェクトなど、多様な学びの機会を提供しています。最後に横田さんは、「子どもたちが好きなことを見つけ、挑戦できる環境をつくることで、地域から世界に羽ばたく“ヒーロー”を生み出していきたい」と語りました。

 


 くら寿司株式会社:回転寿司という身近な題材から、水産業や食をめぐる課題について共に考えることで、持続可能な社会を目指す
登壇者:広報・IR本部 広報部 簗瀬さん

 

簗瀬さんは、回転寿司という身近なテーマを通じて食育や水産資源について学ぶ教育プログラムを紹介。寿司という日常的な食文化を入口に、海洋資源の持続可能性や水産業の現状、食の大切さについて子どもたちが考える機会を提供しているといいます。
簗瀬さんは「食は生活に直結するテーマであり、子どもたちが社会課題を自分事として考えるきっかけになります」と語り、企業の事業活動と教育を結びつけることで、学校だけでは得られない実践的な学びを提供できると説明しました。

 


丸紅木材株式会社:日本の森林問題と森林環境教育の推進
登壇者:IKONIH事業部 田淵さん

 

田淵さんは、日本の森林資源をテーマとした環境教育の取り組みを紹介。

日本は国土の約7割が森林である一方、適切な管理が行われないことでさまざまな課題が生じています。こうした状況を子どもたちに伝え、森林資源の循環や木材利用の意義を理解してもらうことを目的に教育活動を行っています。
田淵さんは「木材は身近な素材ですが、その背景にある森林の仕組みを知る機会は多くありません。森林と社会の関係を学ぶことで、持続可能な社会について考えるきっかけになれば」と語り、企業の専門分野を活かした教育支援の意義を強調しました。

 

グラフィカル ユーザー インターフェイス, Web サイト

AI 生成コンテンツは誤りを含む可能性があります。


iPresence株式会社:行けない』を解決するテレポート技術:テレロボットとアバターが拓く教育の未来
登壇者:代表取締役社長 クリストファーズ クリスフランシスさん

 

クリストファーズさんは、遠隔操作ロボットを活用した教育支援の取り組みを紹介。

病気や不登校、地理的な事情などで学校に通うことが難しい子どもたちでも、テレロボットを通じて教室の授業に主体的に参加できる仕組みを提供しているといいます。ロボットを通して教室の様子を共有することで、子どもたちが学びの機会や友人とのつながりを維持できる環境づくりを目指しています。
クリストファーズさんは「テクノロジーによって学校に行けないという状況を変えられる可能性があります」と語り、誰もが学びにアクセスできる社会の実現に向けた教育の新しい形を提示しました。

 


🔳Networking


イベントの最後には、主催者による閉会あいさつが行われ、教育の共助を広げていくためには、学校、自治体、企業など多様な主体が継続的に対話し、連携を深めていくことの重要性が改めて共有されました。イベント終了後には交流会も開催され、参加者同士が名刺交換や意見交換を行いながら、それぞれの取り組みや今後の連携の可能性について活発な対話が交わされました。教育の共助を実践する新たなつながりが生まれる場となりました。

 

テーブルの周りにいる人たち

AI 生成コンテンツは誤りを含む可能性があります。

 

編集後記


「教育の共助」という考え方は、まだ緒についたばかりの取り組みです。学校や家庭だけでは担いきれない教育課題に対し、自治体、企業、地域社会など多様な主体が関わることで、子どもたちの学びはより豊かで多様なものになります。

今回のイベントでは、学校、自治体、企業、支援機関が一堂に会し、互いの取り組みや課題を共有する貴重な機会となりました。今後はこうした垣根を越えた交流をさらに広げながら、教育を社会全体で支える新しい共創の形が生まれていくことが期待されます。