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全国初!蓄光技術とデザインを活用した安全対策の実証実験。怖くて暗い道に「明るさ」と「楽しさ」を創出!

2023年11月01日

全国初!蓄光技術とデザインを活用した安全対策の実証実験。怖くて暗い道に「明るさ」と「楽しさ」を創出!

この記事では、2022年12月に大阪府枚方市で行われた、官民共創型の実証実験について取り上げます。 「ナイトコンシェルジュ」と名付けられたこのプロジェクトは、対象道路の電柱に青色蓄光標識の設置と、道路の側道に青色蓄光デザインシートを貼り付けて、電力供給等なしでの夜間の照明が確保できるか検証するものです。単に蓄光シートを貼り付けるだけでなく、そこに「エンターテイメント的アプローチ」を取り入れた全国初の取り組みで、「明るさ」と「楽しさ」の創出を目指しました。

CONTENT
目次

「ナイトコンシェルジュ」と名付けられたこのプロジェクトは、対象道路の電柱に青色蓄光標識の設置と、道路の側道に青色蓄光デザインシートを貼り付けて、電力供給等なしでの夜間の照明が確保できるか検証するものです。 単に蓄光シートを貼り付けるだけでなく、そこに「エンターテイメント的アプローチ」を取り入れた全国初の取り組みで、「明るさ」と「楽しさ」の創出を目指しました。

さて、当プロジェクトは、官民共創プラットフォーム「逆プロポ」を通じて、枚方市と株式会社humorousが出会ったことから始まります。さらに、枚方市立杉中学校の生徒も参画し、文字通り官民でともに作り上げる非常に意義深い取り組みとなりました。 ここからは、それぞれの視点からプロジェクトの過程や実証実験を振り返ります。

この記事では、2022年12月に大阪府枚方市で行われた、官民共創型の実証実験について取り上げます。

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BEFORE困っていたこと

募集企業

株式会社
humorous

代表取締役:田村 勇気さん

エンタメの力で社会を良くしたい。そんな思いを一緒に実現してくれる自治体さんが見つかりませんでした。

私たちが行っていた、課題のある空間をエンタメやデザインのアプローチで一新させる『ZONE』プロジェクトは、国土交通省が進める道路に関する社会実験の取り組みにおける、先進的な民間の技術・アイデアとして登録されていました。しかし、その仮説の検証を実際にご一緒させていただける自治体様とのご縁がなかなか見出せずにいました。そんな中、官民共創マッチングプラットフォーム「逆プロポ」の存在を知り、こちらのプラットフォームを通じて枚方市の皆さんと出会うことができました。

応募自治体

大阪府枚方市

(いずれも令和4年度時点)
上 政策推進課:中村 友数さん
左 交通対策課:川﨑 敦弘さん
右 政策推進課:浅井 悠さん

日が暮れると暗くて危険な通学路。中学生からの要望に応える手立てを探していた。

市では毎年「まちづくり提案型事業」という名称で、民間からまちの課題解決のアイデアを募集しています。学校の探究学習の中で生まれたアイデアが寄せられることもあり、この度の「逆プロポ」への応募も「中学生のアイデアを形にできるかもしれない」という思いからでした。 市立杉中学校の生徒さんから寄せられたアイデアの一つに「日が暮れると暗くて危険な通学路を明るくする」というものがありました。これは交通対策課の方でも課題として認識していた、市内の危険箇所についての意見でした。 そんな折、今回の「地域の交通課題をデザインやエンタメの視点を活用して解決する社会実験プロジェクト」の存在を知りました。 これであれば、まずは課題解決に向けて小さくスタートが切れるのではないか?と思い、プロジェクトに応募しました。


SITUATION社会の状況

2022年に文部科学省、国土交通省及び警察庁が連携して、全国の市町村立小学校の通学路について、教育委員会・学校、PTA、道路管理者、警察等による合同点検を実施されました。

全国で対策が必要な危険な通学路: 76,404 箇所

通学路に不安を感じる保護者: 88.6 %


PROCESS実際にかかった時間

  1. テーマ
    検討
    2022年2月
  2. 募集
    開始
    2022年3月
  3. 自治体
    決定
    2022年5月
  4. 内容
    打合せ
    2022年9月
  5. 実証
    実験
    2022年12月〜2023年2月

RESULTどんなことをしたのか


AFTERどのような結果になったか

応募自治体

左 政策推進課:中村 友数さん
中 政策推進課:浅井 悠さん
右 交通対策課:川﨑 敦弘さん
(いずれも令和4年度時点)

中学生のアイデアを実現できたことは大きな価値。まちに愛着が湧くきっかけに。

「ナイトコンシェルジュ(蓄光技術を活用して夜道に灯りの目印を付ける)」というアイデアは、我々行政だけでは思い付かなかったことでしょう。単に蓄光シートを貼るだけでなく、魚の形にして水族館のように見せるなど、エンターテイメント的アプローチが民間企業ならではの柔軟な発想だと思いました。今後、市内で同様の課題が出てきた際にも、市民の皆さんには幅を広げた提案ができそうです。
まちの課題を解決するためには、どうしても予算・時間・技術が必要になります。子どもたちは柔軟な発想で新しいアイデアを市に持ち込んでくれますが、予算・時間・技術が壁となり、実例にまで至ることは稀です。今回、中学生のアイデアがこのような形で実現できたことは、市民の声に耳を傾ける行政の立場として、とても嬉しく思います。
人口減少が避けられない中、自治体のハード的な施策には限界があります。これからは、いかにソフト面の施策を進めていけるかが重要です。今回のプロジェクトは、子どもたちが「自分たちのまちはいいまちだ」と愛着を持てるきっかけになったのではないかと思います。

 

発案学校

枚方市立杉中学校教諭:藤澤 美香さん

一連の参画を通じて、子どもたちに「生きた学び」 を提供できた。

2年生が取り組むキャリア学習の一環として、市の「まちづくり提案型事業」に応募しました。それが「ナイトコンシェルジュ」という形で実現したことは、子どもたちの自信や誇りにつながりました。特に、新聞に取り上げられた際の喜びや驚きは大きく「自分たちが真剣に考えて提案をすれば、大人たちは動いてくれる」という実感を得たようです。もちろん、意見が全て採用されるわけではありません。それが実社会を生きていく上での厳しさであると、子どもたちには伝えています。
それでも、自分たちで企画を考え、企画書をつくり、プレゼンし、広報を行った一連の活動は、彼らにとって生きた学びになったと思います。実際に、こういう授業をこれからも続けてほしいという声が上がっています。道徳で教える「郷土愛」の概念は、座学だけでは伝わりづらいものがあります。子どもたちが今回のような体験を通じて理解を深め、次の世代にも伝えていってくれれば、まちの発展にもつながるのではないでしょうか。

 

自治会

氷室台自治会長:貴志 静夫さん

怖いなという声もありましたが、私達ではどうすれば良いのか良い考えが思い付かず、困ってました。

今回の実証実験で対象となった道路は、夜になると真っ暗になります。過去には、側溝にバイクや軽自動車が転落する事故も起きていました。そういう危険性を中学生が感じて解決策を考え、提案してきたことに対し、こちらも全面的に協力しようと思いました。
蓄光技術とデザインを活用した安全対策は全国初の試みということで、近隣住民の皆さんも関心があったようです。実証実験が始まると、「車で通っても見えるのか?」「雨の日と晴れの日では明るさに違いが出るのか?」と、確かめに行った方もいらっしゃいました。事後アンケートも概ね好評で、特に「アイデアが良い」との意見が多かったです。
エネルギーについては太陽光発電なども注目されていますが、ランニングコストが高く付きます。蓄光技術であれば、その点を抑えられるでしょう。これからはこういった技術も活用しながら、まちの課題を解決できると良いのではないかと思います。


MEDIA外部メディアからの注目

    • 2022年12月23日日本経済新聞Read more
    • 2023年5月16日マピオンニュースRead more

POINT本プロジェクトの注目点


逆プロポ

ソーシャル・エックス

代表取締役:伊佐治 幸泰

汎用性のあるアイデアと技術を持っていたユーモラスさんと中学生が声を出して意見をし、その意見を見逃さなかった、枚方市の皆さん

本プロジェクトはユーモラスさんの力と、枚方市役所の皆さんの誠実さ、そして中学生の勇気と行動力が上手く合致したプロジェクトだったと思います。 上記の3者がそれぞれに、個性を活かし、自分達にしか出来ない事を持ち寄って形にした事で、素晴らしい官民共創が実現しました。逆プロポは単なるマッチングサービスではなく、プロジェクトに参加いただく皆さんの創発によって社会や地域の課題の解決まで実現できるサービスです。まさに、本プロジェクトは理想通りの結果となったと感じています。実証実験の結果を元に、全国に広がっていくであろう今後が、とても楽しみです。